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糖尿病の治療やコントロールのために、おなかの空いている時の血糖値が測定されますね。でも、この血糖値は「採血した時の血糖の状態」を知らせてくれるだけなのです。ですから、病気の状態が不安定な人や血糖値の1日の変化が大きい人などには、適切な治療やコントロールのためにつごうの悪い場合がありました。
そこで、血糖測定と組み合わせて“ヘモグロビンA1c”の値を測定することがとても大切になるのです。
この“ヘモグロビンA1c”の値は、食事や運動には影響されにくく、いつ測っても、ふりかえって1〜2か月前からの平均的な血糖のコントロール状態をおしえてくれます。ですから、病気の状態を正確に知ることができて、正しい治療や無理のないコントロールができるようになるから“安心”というわけなのです。
では、このヘモグロビンA1cの値が、糖尿病の治療やコントロールにどのように役立ち、すぐれた指標になるのかをお話してゆくことにしましょう。 |
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「ヘモグロビンA1c」についてお話をしていきますが、その前に、ヘモグロビンの基本的なことについてもお話しておきましょう。
ヘモグロビンは、セキツイ動物の赤血球にふくまれている色素タンパク質のことです。“血色素”とも呼ばれ、血液が赤く見えるのは、この血色素によるものです。
ヘモグロビンには、酸素の多いところでは酸素と結びついたり、酸素の少ないところでは、酸素をはなしたりする性質があり、肺でとりこんだ新鮮な酸素をからだのすみずみまで運ぶという大切な役割をはたしています。そして、かわりに二酸化炭素が肺に運ばれて酸素と交換され、わたしたちが生きていくためには欠かすことのできない“体内の呼吸(ガス交換)”が行われているのです。
このように大切な役割をはたしているヘモグロビンですが、血管の中を流れているうちに、血液の中にあるブドウ糖などと反応してブドウ糖とヘモグロビンが結びつくことがあります。このようなヘモグロビンのことを“ブドウ糖と結びついたヘモグロビン”という意味から「グリコシレーティッドヘモグロビン(グリコヘモグロビン)」といったり、「ヘモグロビンA1」と呼んだりしています。
このグリコヘモグロビンであるヘモグロビンA1には、ヘモグロビンA1a、ヘモグロビンA1b、ヘモグロビンA1cなどがあります。そして、これらの中ではヘモグロビンA1cの量が一番多くて、しかも、安定した構造になっているということがわかっています。 |
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まず、ヘモグロビンとブドウ糖が反応して、「レイバイルA1c」といわれる“不安定なヘモグロビンA1c”ができますが、これはまだヘモグロビンとブドウ糖がしっかりと結びついてなくて離れやすい性質があり、そのほとんどは、もとのヘモグロビンとブドウ糖とに分解されてしまいます。でも、血糖の高い状態がさらに進みますと、ヘモグロビンとブドウ糖がしっかりと結びついて、もう離れることのない安定した“ヘモグロビンA1c”になってしまいます。 |
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ヘモグロビンA1cは、ヘモグロビン血液のなかのブドウ糖が結びついてできるものですから、糖尿病では、血糖値が高くなってヘモグロビンA1cの値も高くなります。
つまり、血糖値が高ければ高いほど、またヘモグロビンが血液のなかのブドウ糖にさらされている時間が長ければ長いほど、それにつれてヘモグロビンA1cも増加するということになります。ちょうど、“ヘモグロビンの砂糖づけ”を想像するとわかりやすいかもしれません。つまり、砂糖水濃ければ濃いほど、また砂糖水の中につかっている時間が長ければ長いほど、砂糖と結びつく度合いが大きくなります。(注:ブドウ糖と砂糖とは別ものです)
ですから、ヘモグロビンA1cの量は、血糖値と赤血球の生きている期間(赤血球の寿命)に比例している、ということになりますし、このヘモグロビンA1cの値は、血液の中のブドウ糖の量をおしえてくれることになるわけです。 |
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赤血球はヘモグロビンをふくむ血液の細胞で、骨髄というところで生まれてから、体内をめぐって活躍し、最後に脾臓というところで分解され、その一生を終えますが、赤血球の寿命は平均して120日間(約4か月)といわれています。
ヘモグロビンは赤血球のなかにふくまれていますから、ヘモグロビンA1cの値も赤血球の寿命と深い関係があるのです。 |
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ヘモグロビンA1cの値は、過去約1〜2か月間の平均的な血糖値と深い関係があるとされていますが、これは、体内で赤血球の生きている期間が120日間であることと関係しています。
ヒトの赤血球は、平均して120日間にわたって体内をグルグルとめぐり続けますが、血液のなかにはいつでも多かれ少なかれブドウ糖がありますから、赤血球のヘモグロビンは生きている期間(赤血球の寿命)に比例して少しずつブドウ糖と結びついて血球内にたくわえられることになります。そして、赤血球の新しいものと旧いものとの交代は毎日1/120ずつ新しい血球がつくられて入れかわっていくことになりますから、全体としてのヘモグロビンA1cの値は、平均的な赤血球の寿命(約120日=4か月)の半分にあたる時期の平均血糖値に一番よく合っている、ということになります。
ですから、今、ヘモグロビンA1cを測定したとしますと、赤血球の寿命(4か月)の平均となる今から約1〜2か月前の血糖値をもっともよく反映している、ということになるわけです。 |
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こんなことをしてはいけませんが、糖尿病の人がお医者さんから血糖コントロールをほめられたいばかりに、血糖測定をするための採血の前にわざと食事をしないようにして、血糖値を下げてから検査を受け、検査が終わってからおいしいものをたくさん食べるというようなことがあるのです。これはとても危険で残念なことですが、病人がお医者さんを“だます(?)”ということになります。その結果、糖尿病に対する適切な治療やコントロールができなくなってしまいます。
でも、ヘモグロビンA1cの値は、検査の前に、食事をガマンして血糖値を下げたとしても、すぐには下がったりしませんから、そんなことをして血糖値をよくコントロールしているようにみせかけたとしても、ヘモグロビンA1cの値は“みせかけの血糖値”なんかにはだまされません。 |
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糖尿病の人が“健康的な生活”を送るためには、血糖が正しくコントロールされていなければなりません。
小児のインスリン依存型糖尿病(インスリン注射によって高血糖をコントロールしないと生きていけない若年型の糖尿病)の場合を例に、コントロールがうまくいっているかどうかを評価する指標をみてみます。
- 高血糖や低血糖の症状がない
- 気持ちが安定していること。
- いろいろな合併症がないこと。
- 尿検査をして、食前の尿糖は陰性で、寝る前30分間の尿糖が軽い陽性であること。
- 食前、食後を通じて血糖値が80〜180mg/dlの範囲にあること。
- ヘモグロビンA1cの値が7%以下、ヘモグロビンA1の値ならば9%以下であることがのぞましい。
以上のことがうまくいっていれば、糖尿病が正しくコントロールされている、と評価されます。
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糖尿病にはいろいろな合併症があります。目、腎臓、心臓、そして血管、神経などの病気にかかることがあります。また、重い病気だけでなく、めまいや立ちくらみ、便秘や下痢など、さまざまな症状が糖尿病でもあらわれる場合があります。
ですから、“糖尿病治療の本当の目的は、合併症の予防にある”ということがいえるのです。
合併症を防ぐために一番大切なことは、血糖を適切にコントロールしていくことですが、この時にたよりになる指標がヘモグロビンA1cの値です。そして、合併症を防ぐためにはヘモグロビンA1cの値を6.5%以下にしておくことが望ましいと言われています。(ヘモグロビンA1の値で9%前後)
ヘモグロビンA1cの値は、測定した時から過去約1〜2か月間の平均的な血糖の状態をおしえてくれる“正確な記録”として、合併症の進みぐあいについても正確な診断ができるようになり、今までより糖尿病のコントロール状態を正確につかめて合併症を予防できる、ということになります。 |
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| このページはアークレイ(株)の健康生活提案ショップ『クラブアークレイ』のコンテンツです。 |